trbpandaの日記

twitterじゃ書ききれないこととかを書くための雑記帳

シンエヴァ感想0309

ということで以下ネタバレあり感想です。

 

積極的なあらすじの説明ではありません。

 

僕の感想を述べる上で必要な箇所についてのみ触れております。

 

 

 


ミサトは結局のところ親という役割を理解していないんじゃないかと思う。

親の立場からすると子どもに対する責任を取ることが親の役割で子どもの立場からすると超えるべき壁というのが親の役割だと思ってるんじゃなかろうか。でもそれって会社における上司部下の関係に近いと思う。親子じゃなくて単純な大人と子どもの関係としてもいいけど。

(でもそれも仕方がないんだろうな。思春期を超えて親と向き合う前に父親が死んじゃってるし。世界がああなってしまった原因に噛んでるわけだから父親を肯定的に理解するのは難しいと思う)

だから自分の子どもに対しては守るは守るけど直接自分の保護下に置くんじゃなくて自分の行動の結果守れる、くらいの距離感でいる(もちろんミサトの行動がないとネルフによるインパクトが起きて結局みんな補完されちゃうから仕方ないところもあるとは思う)

シンジに対しては父親の肩を叩くか殺すかっていう選択肢しか提示できない。ミサト自身そういう気持ちで自分の中の父親に向き合ってきたんだろうけど。

それをシンジが自分で考えてゲンドウとの対話という方向に持っていけたのがシンジの最大の成長だし、ゲンドウもそれに応えたのがゲンドウの最大の見せ場だったと思う。

その結果、最初に望んだであろうインパクト自体は多分失敗したんだろうけどシンジと向き合うことでシンジ(エヴァ?)の中のユイの存在に気付けてゲンドウは最終的に幸せな終わりを迎えられたんじゃないかと思う。

そう思うとシンエヴァを総括すると碇親子が話し合うために世界を変える戦いに地球を巻き込んだ話って感じになるのかな。ユイが死ななかったらあんなにこじれなかったと思うけどエヴァという物語もないから仕方ない。死ななくてもゲンドウはこじらせるのかな、漫画見た感じ。でもユイがもう少し生きてれば不器用な黒崎家みたいな雰囲気になってたんじゃないかな。


ミサトさんって戦闘においては少なくとも劇中ではしっかり考えを示して結果を残してるけど、自分の生き方というか人生においては常に不安を抱えてる。それを吐露するのは死ぬ時くらいなんだけど。

そう思うとミサトさんもアスカも同じなんじゃないかな。だからアスカを(シンジも)引き受けるというか。自分の弱さに自覚的だから他人の弱さもわかるしなんとかしてあげたい。

母性のようなものはあるけど母がわからない、でも父親もわからない。だから2人の保護者にはなれるけど親代わりにはなれない。

実際に親になってもそこは変わらなかった。

ミサトの幸せって加持さんと一緒にいることなんだろうけどいつも遺されちゃうんだよね。加持さんの生きた証を残す役割ばっかり与えられる。

願わくばミサトさんが幸せに暮らす物語も見たいけどそれはエヴァでは無理なんだろうなというかエヴァにはならないよな。


アスカについては漫画版で一度救われたからか今回はゲンドウほどのカタルシスはなかった。

ただシンジだと一時的に救うことはできるけど継続的に幸せにするのはまだ難しいんだろうな。思春期の男女の精神の成熟度の問題なのかシンジの経験値の問題なのか両方なのかアスカの問題なのか。

あんな風に成長したケンスケっていうのは既存キャラ内でアスカを救おうと考えたら最適解だと思う。トウジには委員長がいるし、元々ケンスケはなんとなく人との距離感が遠そうなキャラだったからあんな風に成長しても違和感がないから。

トウジとアスカをくっつけようとしたら委員長が死ぬしかないけどそうなったらアスカは委員長の代わりとしか思われない。


アヤナミはあの村にイレギュラーとして紛れ込んで馴染んだ頃に全てを破壊してシンジを追い詰める的な使われ方かと思ったけど真逆だったな。

Q本編中では無感情かと思ったけど終わりでウォークマン拾ったあたりからネルフ本部内では命令が絶対だから命令外のことに反応しないだけで実はかなり自由というか好奇心のまま動くというか。その変化、お前が綾波だよ。

死ぬ瞬間に白プラグスーツになる演出やばいよな。かろうじてあった見た目上での綾波との相違点が最後になくなるんだから紛れもなく綾波が死んだって感じるよな。

しかしレイは泣いたら死ぬのか。泣くから死ぬのか。


マリとは結局なんだったのか。匂わすだけ匂わせて決定的な正体は明かさないままだったな。

もちろん正体が分かるヒントは出てるから分かるんだけどそれでも正解は闇の中という感じが否めない。

ゲンドウはユイ、ミサトは加持さん、アスカはケンスケ、トウジは委員長、レイはカヲルくん(?)ってそれぞれくっついてってじゃあシンジは?ってなった時にお前か!という感じ。

余り物同士という感もなくはない。でもあの展開でシンジは1人で生きていくっていうのもグレンラガンじゃないんだから。ユイが先立ってしまう碇家男子勢をなんとかするよう頼まれてたりしたのかな。

しかしマリは何を裏切ったんだろ。ネルフ?ゼーレ?大学組?それともユイ?ユイはエヴァに乗った結果、エヴァの中に消えてった。

でもマリはユイと同世代(のはず)なのにエヴァパイロットとして存命している。その過程で何がしかの裏切りがあったのかな。過去に絡みがあったはずのゲンドウがマリには言及しないのもそのへんなのかな。